专利摘要:
本発明は、肢帯筋ジストロフィーに罹患している対象の筋肉の変性を防止又は減少させるための、非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の使用に関する。
公开号:JP2011511057A
申请号:JP2010545572
申请日:2009-02-05
公开日:2011-04-07
发明作者:ディー. モルケンティン,ジェフリー
申请人:デビオファーム ソシエテ アノニム;
IPC主号:A61K38-00
专利说明:

[0001] 本発明は、肢帯筋ジストロフィー(LGMD;Limb−Girdle Muscular Dystrophy)、特にサルコグリカノパチー(sarcoglycanopathy)と診断された対象の筋線維の壊死の誘導及び筋線維の変性を減少させるための、非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の使用に関する。]
背景技術

[0002] 筋ジストロフィー(MD)は、横紋筋に多大な影響をもたらし、進行性の筋肉の衰弱、消耗、及び多くの例において若年死を引き起こす、多様な遺伝性疾患の集団である。通常ヒトのMDに関連する多くの特定された突然変異は、骨格筋細胞膜(筋線維鞘)の硬直をもたらす、基底膜に収縮性タンパク質を導入する構造的接着タンパク質における置換に関し、又は例えばサルコグリカン若しくはジストロフィン等の、細胞膜を直接安定化し、若しくは修復するタンパク質の置換に関する。]
[0003] サルコグリカン遺伝子(アルファ−、ベータ−、ガンマ−、及びデルタ−サルコグリカン遺伝子)の遺伝的突然変異は、異質症候群(heterogeneous syndrome)、LGMD及びそれらのサブグループ、並びにサルコグリカノパチー(sarcoglycanopathy)を伴う、骨格筋疾患を引き起こす。サルコグリカノパチーの症候群又は表現型は、いずれのサルコグリカン遺伝子が突然変異したか、又は遺伝的突然変異(対立遺伝子多型)の種類に依存し、4つの特定の疾患:LGMD2C型、2D型、2E型、及び2F型(それぞれアルファ−、ベータ−、ガンマ−、及びデルタ−サルコグリカン遺伝子の突然変異に対応する)を示す。これらの疾患は、診断されたLGMDの症例の25%で出現している。特に、デルタ−サルコグリカン遺伝子で特異的に観察される異常な突然変異は、LGMD2F型、あるいはLGMD2Fの深刻な疾患を引き起こす(Online Mendelian Inheritance in Man [OMIM] #601287, genetic mutations: [OMIM] 601411. Emery et al., The Lancet, 2002, 359:687−695.)。]
[0004] 別の種類のLGMDは、主に肩及び尻から近位の腕及び足の筋肉の、萎縮を伴う進行性の衰弱及び消耗により特徴付けられる。疾患の症状は、重症のDuchenne様又はBecker様筋ジストロフィー症候群に類似している。しかしながら、後者の疾患は、異なる分子メカニズム及び遺伝子障害が関与している。LGMDの分子診断が利用可能となる前、LGMD患者は、しばしばDuchenne筋ジストロフィーと診断されていた。該疾患の発症は多様であり、幼児期から成年期にわたり、軽度から重度の臨床型を呈して発症する。25%もの患者が該疾患の重度の症状を呈し、重度の腰椎前彎、アキレス腱の収縮、筋肉の肥大、心筋症及び心伝導系障害を引き起こす。ふくらはぎ又は舌の肥大、筋病変の選択性、及び後期の心合併症は、多かれ少なかれ異なる型の疾患のそれぞれに関連する(Daniele et al., Int J. Biochem Cell Biol., 2007;39:1608−1624)。進行性の衰弱は、拘束性肺疾患及び換気補助を必要とする低換気を引き起こす。一般に、罹患率及び死亡率は様々である。幼年期の発症は、典型的には、死亡に至る疾患の進行は非常に迅速である。通常、死亡は、呼吸器系の合併症によるものである。]
[0005] 今日、LGMD症候群のいずれかに罹患している患者に特異的に利用できる処置は、存在しない。積極的な対症処置、例えば筋肉の機能を維持するための整形外科的治療、外科的治療、及び理学療法等は、機能的能力を最大化し、平均余命を延長する。しかしながら、これらの治療法は、筋線維の変性及び最終的な呼吸器系の合併症の発生を防ぐことが出来ない。]
[0006] 筋ジストロフィーに関与する特定の遺伝子を欠く動物モデルが開発されたことにより、サルコグリカノパチーの根底をなす分子メカニズムについての理解が進んでいる。近年、デルタ−サルコグリカン遺伝子(scgd)をターゲティングにより不活性化したデルタ−サルコグリカン欠損マウス(scgd−/−マウス)の筋細胞において、細胞のカルシウム流入が増大する傾向があることが示された。これにより、ジストロフィンとサルコグリカンの複合体等のジストロフィン−糖タンパク質複合体(DGC)の成分の欠損が、筋細胞膜の物理特性の顕著な変化、及び透過性の増大、及び筋線維鞘の漏出を引き起こすことが推測される。膜の不安定化及び脆弱化により引き起こされるカルシウム流入チャネルの制御出来ない活性化は、筋線維の変性及び筋線維の壊死を引き起こす、骨格筋のジストロフィー疾患を生じさせ得る。]
[0007] Parsonsら(J. Biol. Chem., 2007, 282:10068−10078)は、カルシウム/カルモジュリン依存性セリン/スレオニンタンパク質ホスファターゼであるカルシニューリン活性を遺伝子欠失により阻害することで、scgd−/−マウスの骨格筋及び筋線維の変性及び炎症を減少させ、これが細胞保護的に働くことを示した。類似の疾患であるDuchenne筋ジストロフィーのモデルとして使用したmdx遺伝子欠損(ジストロフィン遺伝子突然変異)マウスは、scgd−/−マウスと同じくカルシウム流入が観察されたが、カルシニューリン活性の阻害後の疾患の改善は観察されなかった。実際に、カルシニューリンの活性化トランス遺伝子は、mdxマウスを保護した(Chakkalakal et al., Hum. Mol. Genet., 2004, 13: 379−399; Stupka et al., Acta Neuropathol., 2004, 107: 299−310, but see De Luca et al., Am. J. Pathol., 2005, 166: 477−489)。Parsonsらは、カルシニューリンをLGMDの潜在的な標的として同定した。観察に基づいて、Parsonsらは、脚帯筋ジストロフィー等の特定の種類の筋肉の疾患において、カルシニューリンの活性の阻害が一定の利益をもたらし得て、故に、シクロスポリンA(CsA)が利用可能な可能性があることを主張した。]
[0008] LGMDにおいて膜の透過性の変化により誘導される進行性の筋線維変性を引き起こす作用機構はよく理解されておらず、この疾患に罹患している患者を治療するためのメカニズムを基礎とする新しい方策を最終的に開発するための基礎を提供し得る、活発な研究が行われている。しかしながら、現時点では、LGMDに罹患している患者の治療に利用できる有効な方法は存在しない。故に、本明細書中に記載の如き、新たな治療アプローチには、需要が存在する。]
発明が解決しようとする課題

[0009] 本発明の目的は、臨床医に、LGMDに、特にサルコグリカルパチー、そしてより具体的には2F型LGMDに罹患している患者における、筋線維壊死の誘導及び進行並びに筋肉の変性を処置するための治療法を提供することである。この治療方法は、骨格筋、心筋及び横隔膜の筋肉のジストロフィーによる壊死を防ぎ、そして疾患の進行を遅延させるべきものである。]
[0010] 驚くべきことに、本発明により、カルシニューリンを阻害しない非免疫抑制性シクロスポリンA(CsA)誘導体の、LGMDと診断された疾患、特にサルコグリカノパチー、より具体的には2F型LGMDに罹患している対象への投与が、効果的な治療法であることが見出された。発明者らは、非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAの投与が、LGMD、特にサルコグリカノパチー、より具体的には2F型LGMDと診断された対象の筋肉の病変、並びに該疾患の変性及び進行を軽減し、そして潜在的なカルシウムの過負荷に対するミトコンドリアの感受性を低下させることにより、筋線維領域の分布を正常化させることを観察した。]
課題を解決するための手段

[0011] 対象は、前記疾患の表現型の原因となる遺伝子の欠失又は不発現による筋ジストロフィーの症状を示す、人類又は哺乳類、例えばマウスであり得る。]
[0012] 従って、本発明は、
式Iで表される非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体、より好ましくは
式IIで表される非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体、そして最も好ましくは
式IIIの[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAで表される非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の、LGMD、特にサルコグリカノパチー、より具体的には2F型LGMDに罹患している対象の筋変性を防止又は低減する医薬品を製造するための使用に関する。]
[0013] 本発明における使用に適した非免疫抑制性CsA誘導体は、Novartis AGによる国際特許出願WO 2005/021028の3〜6ページにも記載されている。[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAは、Wengerらの国際特許出願WO 00/01715において開示されている。式IIIの[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAは、CASの254435−95−5に登録されている。]
[0014] 本発明において使用される非免疫抑制性CsA誘導体は、以下の式:
式I



[式中、
Wは、MeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8’−ヒドロキシ−MeBmt又はO−アセチル−MeBmtであり、
Xは、αAbu、Val、Thr、Nva又はO−メチルスレオニン(MeOThr)であり、
Rは、Pro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla又は(D)−MeSer(Oアセチル)であり、
Yは、MeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIle又はMeaThr;N−エチルVal(EtVal)、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyr又はN−エチルThr(Oアセチル)であり、ここで、RがSarであるときYはMeLeuではなく、
Zは、Val、Leu、MeVal又はMeLeuであり、
Qは、MeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeAla又はProであり、
T1は、(D)Ala又はLysであり、
T2は、MeLeu又はγ−ヒドロキシ−MeLeuであり、そして
T3は、MeLeu又はMeAlaである]、
式II



[式中、
WがMeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8’−ヒドロキシ−MeBmtであり;
XがαAbu、Val、Thr、Nva又はO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;
RがPro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、又は(D)−MeSer(Oacetyl)であり;
YがMeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIle又はMeaThr;N−エチルVal(EtVal)、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyr又はN−エチルThr(Oacetyl)であり、ここで、RがSarであるときYはMeLeuではなく;
ZがVal、Leu、MeVal又はMeLeuであり;
QがMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、又はMeAlaであり;
T1が(D)Alaであり;
T2がMeLeuであり;そして
T3がMeLeuである]、
式III



[式中、
WがMeBmtであり;
XがαAbuであり;
Rが(D)−MeAlaであり;
YがN−エチルVal(EtVal)であり;
ZがValであり;
QがMeLeuであり;
T1が(D)Alaであり;
T2がMeLeuであり;そして
T3がMeLeuである]
により記載される環状ウンデカペプチドである。]
[0015] ここで、MeBmtはN−メチル−(4R)−4−ブト−2E−エン−1−イル−4−メチル−(L)スレオニン、αAbuはL−α−アミノ酪酸、D−MeAlaはN−メチル−D−アラニン、EtValはN−エチル−L−バリン、ValはL−バリン、MeLeuはN−メチル−L−ロイシン、AlaはL−アラニン、(D)AlaはD−アラニン、そしてMeValはN−メチル−L−バリンである。シクロスポリンAを参照する際に一般的に使用されるアミノ酸配置の確立した番号付けを、式の下部に示している。CsAの誘導体に混合名(Composite name)が使用され、混合名は、シクロスポリンAと異なる残基とその位置を表記する第一の部分と、他の全ての残基がシクロスポリンAと同一であることを示す「CsA」が表記される第二の部分とからなる。例えば、[MeIle]4−CsAは、4番のMeLeuがMeIle(N−メチル−L−イソロイシン)に置き換えられていることを除いてシクロスポリンAと同一のシクロスポリンである。]
[0016] 更なる態様において、本発明は、式Iの非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体、より好ましくは式IIの非免疫抑制性CsA誘導体、そして最も好ましくは式IIIの[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAの非免疫抑制性CsA誘導体の、LGMD、特にサルコグリカノパチー、より具体的には2F型LGMDの治療における使用に関する。]
[0017] 他の態様において、本発明は、LGMD、特にサルコグリカノパチー、より具体的には2F型LGMDに罹患している対象の筋変性を予防又は低減する方法に関し、該方法は、対象に有効量の式Iの非免疫抑制性CsA誘導体、より好ましくは式IIの非免疫抑制性CsA誘導体、そして最も好ましくは式IIIの[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAの非免疫抑制性CsA誘導体を投与することを含む。非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の有効量は、LGMD、特にサルコグリカノパチー、より具体的には2F型LGMDに罹患している対象に対する反復的な一定の治療計画に則った投与が、該疾患を改善し、安定化し、又は進行を減衰させる等の、客観的な臨床応答をもたらすときの量と理解される。経口投与されるとき、毎日又は週2回投与の有効量は、約1mg/kg(体重)〜約100mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約20mg/kgであり得る。血管内投与による場合、指示される相当の用量は、約1mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgであり得る。]
[0018] 更に、本発明は、LGMD、特にサルコグリカノパチー、より具体的には2F型LGMDに罹患している対象の筋変性を予防又は低減するための医薬組成物に関し、該医薬組成物は、有効量の式Iの非免疫抑制性CsA誘導体、より好ましくは式IIの非免疫抑制性CsA誘導体、そして最も好ましくは式IIIの[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAの非免疫抑制性CsA誘導体、医薬として許容される単体、及び任意で賦形剤及び希釈剤を含む。希釈剤は、典型的には水である。非経口製剤に典型的に添加される賦形剤として、等張剤、緩衝剤又は他のpH調整剤、及び保存料が含まれる。前記組成物は、抗生物質、グルココルチコイド、コルチコステロイド、例えばプレドニゾン等の他の有効成分を含む場合もある。]
[0019] 本発明は、以下の図面の補助により更に説明され得る。]
図面の簡単な説明

[0020] 6週齢の野生型マウス(Wt)(白棒)及びscgd−/−マウス(黒棒)の骨格筋のミトコンドリアのベースラインの膨張(baseline swelling)を、540nmの吸光度として測定したものを表す。足底筋(plantar muscle)群、大腿四頭筋及び前脛骨筋のミトコンドリアを合わせたものが用いられた。scgd−/−マウスの試料の吸光度が低いことから、scgd−/−マウスのミトコンドリアのベースラインがWtマウスのミトコンドリアよりも膨張していることが示唆される。]
[0021] 6週齢の野生型マウス(Wt)(白棒)及びscgd−/−マウス(黒棒)の無処理及び処理ミトコンドリアの間の540nmの吸光度の差として測定される、カルシウム(Ca2+)又はPEG−3350(PEG)処理10分後のミトコンドリアの膨張の変化を表す。足底筋(plantar muscle)群、大腿四頭筋及び前脛骨筋のミトコンドリアを合わせたものが用いられた。]
[0022] scgd−/−マウスにD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAを投与した後の筋肉の病変の減少を表す。ビヒクル(白棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(黒棒)で処理した野生型(Wt)マウス、又はビヒクル(灰色又は右から2番目の棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(点を打った又は一番右の棒)で処理したscgd−/−マウスの、腓腹筋(Gastroc.)、大腿四頭筋(Quad.)、前脛骨筋(TA)及び心筋について、筋肉の重量(MW)と脛骨の長さ(TL)の比率(MW/TL)を測定した。D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAは、scgd−/−マウスの筋肉の重量を増大させ、その傾向は、疾患に関連している。]
[0023] D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAで処理した野生型(Wt)マウス及びscgd−/−マウスの大腿四頭筋のヘマトキシリン及びエオシンで染色した代表的な切片において観察される、D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAを投与した後のscgd−/−マウスの筋肉の病変の減少を表す。対応するビヒクルコントロールも示す。]
[0024] 横隔膜(Diaph)、前脛骨筋(TA)、腓腹筋(Gastroc.)、大腿四頭筋(Quad.)のトリクロム染色切片の線維領域の定量により評価される、scgd−/−マウスにD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAを投与した後の筋肉の病変の減少を表す。評価されたのは、ビヒクル(白棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(黒棒)で処理した野生型(Wt)マウス、又はビヒクル(灰色又は右から2番目の棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(点を打った又は一番右の棒)で処理したscgd−/−マウスの、切片であった。D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAは、scgd−/−マウスの線維症を軽減した。]
[0025] 前脛骨筋(筋肉)の線維領域の分布の定量により評価される、scgd−/−マウスにD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAを投与した後の線維領域の異質性を表す。本研究は、ビヒクル(白棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(黒棒)で処理した野生型(Wt)マウス、又はビヒクル(灰色又は右から2番目の棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(点を打った又は一番右の棒)で処理したscgd−/−マウスにおいて行われた。「<」は、その左の数字よりも小さい数字を指し、「>」はその左の数字よりも大きい数字を指す。D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAは、scgd−/−マウスの線維領域の異質性を正常化した。]
[0026] 横隔膜の線維領域の分布の定量により評価される、scgd−/−マウスにD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAを投与した後の線維領域の異質性を表す。本研究は、ビヒクル(白棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(黒棒)で処理した野生型(Wt)マウス、又はビヒクル(灰色又は右から2番目の棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(点を打った又は一番右の棒)で処理したscgd−/−マウスにおいて行われた。「<」は、その左の数字よりも小さい数字を指し、「>」はその左の数字よりも大きい数字を指す。D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAは、scgd−/−マウスの線維領域の異質性を正常化した。]
[0027] 大腿四頭筋の線維領域の分布の定量により評価される、scgd−/−マウスにD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAを投与した後の線維領域の異質性を表す。測定は、ビヒクル(白棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(黒棒)で処理した野生型(Wt)マウス、又はビヒクル(灰色又は右から2番目の棒)若しくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA(点を打った又は一番右の棒)で処理したscgd−/−マウスにおいて行われた。「<」は、その左の数字よりも小さい数字を指し、「>」はその左の数字よりも大きい数字を指す。D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAは、scgd−/−マウスの線維領域の異質性を正常化した。]
[0028] カルシウム濃度の増大が筋線維の壊死を経るLGMDの開始要素であると仮定すると、多くの下流のカルシウム依存性作用因子が潜在的な原因要素と考えられる。例えば、カルシウムの増大は、創傷後の骨格筋の再生、及び骨格筋細胞の分化に中心的に関与するシグナルタンパク質である、カルシウム活性化プロテアーゼのカルパインの活性化を通じて、筋管の壊死を引き起こし得る。]
[0029] Parsonsら(2007)は、マウスのLGMDモデルにおいて、カルシウム/カルモジュリン依存性セリン/スレオニンタンパク質ホスファターゼであるカルシニューリン活性を遺伝子欠失により阻害すると、骨格筋及び筋線維の変性及び炎症が低減する、即ち骨格筋の病変が改善することを示した。マウスのDuchenneモデルではこのようにならず、CsAによるカルシニューリンの阻害は、筋肉の病変を悪化させた(Stupka et al., Acta Neuropathol, 2004, 107:299−310)。筋細胞のカルシウム濃度が増大することを特徴とする異なるジストロフィーにおけるカルシニューリン活性の阻害の結果のこの相異は、それらが恐らく筋細胞膜の変化やシグナル経路に異なる影響を与え、異なる形で関与する、異なる遺伝子欠失により引き起こされるためと考えられる。]
[0030] 細胞の壊死を引き起こす他の主要なメカニズムは、ミトコンドリアのカルシウム過剰であり、活性酸素種(ROS)を二次的に亢進し、更にMTP(ミトコンドリア透過性遷移)を促進する。また、筋線維膜内のカルシウム濃度の増大は、活性酸素種(ROS)を局所的に増大させ、更に細胞膜の損傷が生じ、更にカルシウム流入が進み、更に細胞の壊死及び/又はアポトーシスが進行する。]
[0031] scgd遺伝子の欠如と、ミトコンドリアの機能不全により誘導される筋線維の変性の進行並びに細胞の壊死及び/又はアポトーシスとの因果関係の存在を実験的に試験するために、実験を行った。]
[0032] カルシウムにより誘導されるミトコンドリアの機能不全がLGMDに関連する筋線維の変性の進行を発生及び駆動するか否かを評価するために、発明者らは、scgd−/−マウス及び野生型マウスのジストロフィーの骨格筋から単離したミトコンドリアを比較した。足底筋群、大腿四頭筋及び前脛骨筋からスクロース含有緩衝液(250mMスクロース、10mM Tris(pH7.4)、1mMEDTA)中でホモジネートして単離したミトコンドリアを、洗浄し、懸濁し、そして等張緩衝液(120 mM KCl、10 mM Tris(pH7.4)、5mM KH2PO4)中で遠心分離し、これを膨張アッセイにおいて試験した。このアッセイは、単離したミトコンドリアに200μmのCaCl2(膨張)又は5%(w/w)のPEG−3350 (収縮)を加えてインキュベーションすることを含む。540nmの吸光度は、膨張により減少し、収縮により増大する。結果は、平均±SEM(標準誤差)で表現される(図1(a)及び図1(b))。2サンプルStudentt検定(two−sample Student t test)を使用し、数値はp<0.05の場合にのみ有意と見做した。]
[0033] scgd−/−マウスの骨格筋から単離したミトコンドリアは、野生型のマウスと比較して、ベースラインで膨張した。それらは、外来的に加えられたカルシウムによる追加的な膨張にも反応せず、ベースライン膨張の逆転を示さなかった(図1(a)及び図2(b))。この追加的なカルシウムに対するscgd−/−マウスのミトコンドリアの無反応から、それらは、下流の病理的効果、例えば6週齢の横隔膜及び大腿四頭筋の擬肥大応答等と一致して、膨張し、病理的であった。該肥大は、組織の炎症、野生型と比較して老化に伴う筋肉の重量の著しい低下、筋線維の中心核形成(central nucleation)の特徴的な増大と関連し、変性を継続するための再生、大規模な変性/再生のサイクル、及びカルシウム過多によりダメージを受けた筋細胞膜の不安定化を誘導する。]
[0034] 上記知見は、ミトコンドリアの潜在的な異常性は臨床的症候群の重症度を予測するものとなり得ないとしても、カルシウム依存性MPTプロセスが、LGMDに関連する筋線維の変性の進行の基礎となることを強く示唆する。原則として、遺伝子の病変の下流にあるイベントの病理的連鎖は、適切な薬物により遮断され得る。例えば、ミオスタチン活性のの喪失は、繊維症を軽減し、筋肉の差異性を誘導することにより、scgd−/−マウスのLGMDを改善し得る。カルシニューリン活性の阻害は、類似の効果をもたらすことが報告されている。上記で示した新しい知見及び実施例1及び2で示される知見によると、LGMDマウスモデルの骨格筋の変性/再生のサイクルの変化及び変性の低下は、ミトコンドリアの機能の正常化により達成され得る。本発明のこれらの知見は、LGMDに罹患した患者の新しい薬理による治療を可能とし、該治療は、ミトコンドリアの機能を標的とし、カルシニューリンの活性を標的とせず、免疫抑制を引き起こさない。]
[0035] よって、本発明は、非免疫抑制性CsA誘導体、最も好ましくはD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAの、LGMDに罹患している対象の筋肉の変性を防止又は軽減するための使用に関する。非免疫抑制性CsA誘導体は、LGMDに罹患している対象の筋肉生検から調製したミトコンドリアのミトコンドリア機能を正常化するのにも使用され得る。ミトコンドリアが過剰なカルシウムに対して耐性を有するとき、非免疫抑制性CsA誘導体によるその対象の治療が、前記疾患の重症度を低減するのに効果的であり得ることを示すと見做される。]
[0036] LGMDに罹患している患者を治療するために使用される前記有効成分、即ち非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体は、任意の既知の経路により投与され得る。投与は、非経口的に、例えば注射用溶液若しくは懸濁液、又は注射用の沈殿製剤(deposit formulation)等の形態で行われ得る。好ましくは、投与は、飲用の溶液若しくは懸濁液、錠剤又はカプセルの形態で経口投与され得る。非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAを含む経口投与用医薬組成物は、実施例に記載される。そのような医薬組成物は、典型的には、選択された非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体及び1つ以上の医薬として許容される担体化合物を含む。適切な医薬的担体は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, PA (1990)に記載されており、これは当該技術分野で標準的な参考文献である。典型的には、これらの組成物は、濃縮されており、投与の際、適切な希釈剤、例えば水と組み合わせる必要がある。非経口投与用の医薬組成物も、典型的には、1つ以上の賦形剤を含む。賦形剤の選択肢として、等張剤、緩衝剤又は他のpH調整剤、及び保存料が含まれる。これらの賦形剤は、該組成物を維持するために、及び適切なpH(約6.5〜7.5)及び浸透圧(約300mosm/L)の範囲に維持するために添加され得る。]
[0037] 経口投与用のシクロスポリン製剤の追加的な例は、米国特許5,525,590号及び米国特許出願2003/0104992号に見出され得る。経口経路の場合、毎日〜週2回投与する非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の用量は、約1mg/kg(体重)〜約100mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約20mg/kgであり得る。血管内投与による場合、指示される相当の用量は、約1mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgであり得る。
非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の有効量は、LGMD患者に反復的な一定の治療計画に則って投与が、該疾患を改善し、安定化し、又は進行を減衰させる等の、客観的な臨床応答をもたらすときの量と理解される。そのような臨床応答は、例えば、Quantitative Isometric Strength(QIS)試験等により評価され得る。
経口投与されるとき、毎日又は週2回投与の有効量は、約1mg/kg(体重)〜約100mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約20mg/kgであり得る。血管内投与による場合、指示される相当の用量は、約1mg/kg〜約50mg/kg、好ましくは約1mg/kg〜約25mg/kgであり得る。QISは、圧力変換装置及び記録装置を利用して、客観的手段により筋肉の強度を評価することができる。あるいは、当業者に既知の生化学的又は免疫組織化学的手法による筋肉の生検から、アポトーシスの正常化の割合が評価され得る。定量に筋電図検査も利用され得る。]
[0038] 非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体、最も好ましくは[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsAを含む本発明の医薬組成物の有効性を試験するための試験量を決定するとき、臨床医により様々な要素が考慮され得る。そのなかで最も重要なのが、非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の毒性及び半減期である。追加的な要素として、患者のサイズ、患者の年齢、患者の一般的健康状態(機械的換気、疾患の臨床段階、症状の重症度)、体内の他の薬物の存在等がある。一連の処置は、本発明の医薬組成物の反復投与を必要とする場合がある。典型的には、十分な薬物の用量が、約1日1回投与され得る。前記疾患の遺伝的性質のため、処置は長期間、場合によっては一生継続する必要があり得る。]
[0039] 従来、効果的なLGMDの薬理的治療は知られていなかった。患者はインフルエンザ及び肺炎球菌感染に対するワクチン接種により支持され、任意の感染が、抗生物質により対症的に治療されている。故に、本発明の医薬組成物は、非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体に加え、例えば、1つ以上の抗生物質等の1つ以上の他の有効成分を含み得る。該非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体及び他の有効成分は、同じ医薬組成物の成分として一緒に投与され、又は全ての有効成分の利益を受けられるように設計された適切な投与計画の部分として別個に投与される場合もある。適切な投与計画、投与される各薬物の用量、及び書く有効成分の投与の間の特定の期間は、採用される有効成分の特定の組み合わせ、処置を受ける患者の状態、及び前記で議論した他の要素に依存し得る。そのような追加的な有効成分は、一般に、それらが単一の治療剤として効果的であることが知られている量と等しい量が投与され得る。ヒトに対する投与でFDAの認可を受けた有効成分のFDAが認可した用量は、公的に入手可能である。]
[0040] 本明細書中に引用されている全ての特許、特許出願及び文献は、それらの全文が参照により援用されたものと見做されるべきである。]
[0041] 更に、本発明は、以下の実施例により詳細に説明される。実施例は、当業者に対して例示を提供することを目的とし、請求項に記載の本発明の範囲を限定することを意図していない。故に、本発明は、提供されている実施例に限定されるものとして解釈されるべきではなく、本明細書中に提供されている教示の結果の証拠となる任意の及び全てのバリエーションを包含するものと解釈されるべきである。]
[0042] 実施例1:カルシウム誘導性の筋細胞膜のダメージの安定化並びに筋ジストロフィーの進行及び病変の軽減
多くの変性/再生サイクルにより引き起こされるカルシウム誘導性の筋細胞膜のダメージの安定化並びに疾患進行の軽減のために、scgd−/−マウスを、D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAで処置した。]
[0043] scgd−/−マウスに、50mg/kg/kgの用量のD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA又はビヒクル(有効成分D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAを含まない製剤)を、4週齢から10週齢の期間にかけて、皮下投与した。摘出した複数種の筋肉、即ち腓腹筋、大腿四頭筋、前脛骨筋及び心筋を定量し、筋肉の重量(MW)と脛骨の長さ(TL)の比率(MW/TL)を測定した図2(a)の結果は、平均±SEM(平均の標準誤差)として表現する。3つ以上の独立した群の平均を比較するために、ワンウェイANOVAを使用した。InS(登録商標)tat3.0(Science Inc.製GraphPadソフトウェア)を使用して多重比較を行う場合、Newman−Keuls事後試験(Newman−Keuls)を適用した。数値は、p<0.05で有意とした。]
[0044] 多数の変性/再生サイクルに応答して、scgd−/−マウスは、最初に、LGMDに罹患している対象で見られるのと同様に、骨格筋の肥大を呈する。scgd−/−マウスへのD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAの投与は、処置されたscgd−/−マウスの骨格筋の擬肥大応答の軽減として観察される、筋肉の病変の低減をもたらした(図2(a))。骨格筋肥大の軽減は、ビヒクル処理動物と比較して、D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAで処理したscgd−/−マウスで、腓腹筋(Gastroc.)、大腿四頭筋(Quad.)、及び前脛骨筋(TA)において約1.3倍、そして心筋において約1.2倍であった。]
[0045] D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAで処理したscgd−/−マウスにおける病変の低減は、大腿四頭筋の組織切片においても観察された(図2(b))。ビヒクル処理マウス又はscgd−/−マウスよりも、D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAで処理したscgd−/−マウスにおいて、筋線維の組織化及び線維領域分布の正常化が認められた。]
[0046] D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAで処理した又はしていない野生型及びscgd−/−マウスの横隔膜(Diaph.)、前脛骨筋(TA)、腓腹筋(Gastroc.)、及び大腿四頭筋(Quad)においてヒドロキシプロリン量を定量する生化学アッセイ(Parsons et al., Am. J. Pathol., 2006, 168:1975−1985)により、線維症のパーセンテージを評価した。D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAによるscgd−/−マウスの処理は、複数種の筋肉において、約1.5%〜3.5%線維症を低減した(図2(c))。]
[0047] 実施例2:
D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA処理後のscgd−/−マウス骨格筋における小線維及び大線維の分布の正常化、並びに変性/再生サイクルの低下
D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAで処理したscgd−/−マウスの前脛骨筋(図3(a))、腓腹筋(図3(b))及び大腿四頭筋(図3(c))における線維領域の分布の部分的な正常化は、変性/再生サイクルの低下を示唆する。scgd−/−マウスに、50mg/kg/日の用量のD−[MeAla]3−[EtVal]4−CsA又はビヒクルを6週間皮下投与した。scgd−/−マウスの3つの骨格筋の線維の組織解析により、野生型と比較して、小直径線維(<200μm2)の頻度の顕著な増大が示され、これは、再生した線維の数の増大、変性/再生の継続、及び疾患の進行を示唆する。scgd−/−マウスに対する非免疫抑制性D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAの投与は、線維の再生率を低下させ、小線維及び大線維の分布を部分的に正常化した。ビヒクルのみで処理したものと比較して、非免疫抑制性D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAで処理したscgd−/−マウスには、小線維の減少が認められた。]
[0048] 実施例3:D−[MeAla]3−[EtVal]4−CsAの経口製剤
量は、%w/wで表現する。
例示物A
[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsA 10
グリコフロール(glycofurol)75 35.95
ミグリコール(Miglycol)812 18
クレモホール(Cremophor)RH40 35.95
アルファ−トコフェロール0.1]
[0049] 例示物B:
[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsA 10
テトラグリコール(Tetraglycol) 2
カプテックス(Captex)800 2
ニッコール(Nikkol)HCO−40 85.9
ブチルヒドロキシトルエン(BHT) 0.1]
[0050] 例示物C:
[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsA 10
グリコフロール(glycofurol)75 39.95
ミグリコール(Miglycol)812 14
クレモホール(Cremophor)RH40 36
ブチルヒドロキシアニソール(BHA) 0.05−0.1]
[0051] 例示物D:
[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsA 10
テトラグリコール(Tetraglycol) 10
マイリトール(Myritol) 5
クレモホール(Cremophor)RH40 74.9
アルファ−トコフェロール0.1]
[0052] 例示物E:
[D−MeAla]3−[EtVal]4−CsA 10
エタノール9
プロピレングリコール8
クレモホール(Cremophor)RH40 41
グリセロールモノリノレエート32]
実施例

[0053] 製剤A〜Dの個々の成分及び調製方法については、英国特許出願第2,222,770号を参照されたい。]
权利要求:

請求項1
肢帯筋ジストロフィー(Limb−GirdleMuscularDystrophy)を処置する医薬を製造するための、以下の式:[式中、Wは、MeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8’−ヒドロキシ−MeBmt又はO−アセチル−MeBmtであり;Xは、αAbu、Val、Thr、Nva又はO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;Rは、Pro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla又は(D)−MeSer(Oアセチル)であり;Yは、MeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIle又はMeaThr;N−エチルVal(EtVal)、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyr又はN−エチルThr(Oアセチル)であり、ここで、RがSarであるときYはMeLeuではなく;Zは、Val、Leu、MeVal又はMeLeuであり;Qは、MeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeAla又はProであり;T1は、(D)Ala又はLysであり;T2は、MeLeu又はγ−ヒドロキシ−MeLeuであり;そしてT3は、MeLeu又はMeAlaである]で表される非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の使用。
請求項2
請求項1に記載の非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の使用であり、ここでWがMeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8’−ヒドロキシ−MeBmtであり;XがαAbu、Val、Thr、Nva又はO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;RがPro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、又は(D)−MeSer(Oacetyl)であり;YがMeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIle又はMeaThr;N−エチルVal(EtVal)、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyr又はN−エチルThr(Oacetyl)であり、ここで、RがSarであるときYはMeLeuではなく;ZがVal、Leu、MeVal又はMeLeuであり;QがMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、又はMeAlaであり;T1が(D)Alaであり;T2がMeLeuであり;そしてT3がMeLeuである、前記使用。
請求項3
請求項1に記載の非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体の使用であり、ここでWがMeBmtであり;XがαAbuであり;Rが(D)−MeAlaであり;YがN−エチルVal(EtVal)であり;ZがValであり;QがMeLeuであり;T1が(D)Alaであり;T2がMeLeuであり;そしてT3がMeLeuである、前記使用。
請求項4
肢帯筋ジストロフィーを治療するために使用される、以下の式:[式中、Wは、MeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8’−ヒドロキシ−MeBmt又はO−アセチル−MeBmtであり;Xは、αAbu、Val、Thr、Nva又はO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;Rは、Pro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、又は(D)−MeSer(Oアセチル)であり;Yは、MeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIle又はMeaThr;N−エチルVal(EtVal)、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyr又はN−エチルThr(Oアセチル)であり、ここで、RがSarであるときYはMeLeuではなく;Zは、Val、Leu、MeVal又はMeLeuであり;Qは、MeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeAla又はProであり;T1は、(D)Ala又はLysであり;T2は、MeLeu又はγ−ヒドロキシ−MeLeuであり;そしてT3は、MeLeu又はMeAlaである]で表される非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体。
請求項5
WがMeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8’−ヒドロキシ−MeBmtであり;XがαAbu、Val、Thr、Nva又はO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;RがPro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、又は(D)−MeSer(Oacetyl)であり;YがMeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIle又はMeaThr;N−エチルVal(EtVal)、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyr又はN−エチルThr(Oacetyl)であり、ここで、RがSarであるときYはMeLeuではなく;ZがVal、Leu、MeVal又はMeLeuであり;QがMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、又はMeAlaであり;T1が(D)Alaであり;T2がMeLeuであり;そしてT3がMeLeuである、請求項4に記載の非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体。
請求項6
WがMeBmtであり;XがαAbuであり;Rが(D)−MeAlaであり;YがN−エチルVal(EtVal)であり;ZがValであり;QがMeLeuであり;T1が(D)Alaであり;T2がMeLeuであり;そしてT3がMeLeuである、請求項4に記載の非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体。
請求項7
肢帯筋ジストロフィーに罹患している対象の筋肉の変性を防止又は低減させるための方法であり、有効量の以下の式:[式中、Wは、MeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8’−ヒドロキシ−MeBmt又はO−アセチル−MeBmtであり;Xは、αAbu、Val、Thr、Nva又はO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;Rは、Pro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、又は(D)−MeSer(Oアセチル)であり;Yは、MeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIle又はMeaThr;N−エチルVal(EtVal)、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyr又はN−エチルThr(Oアセチル)であり、ここで、RがSarであるときYはMeLeuではなく;Zは、Val、Leu、MeVal又はMeLeuであり;Qは、MeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeAla又はProであり;T1は、(D)Ala又はLysであり;T2は、MeLeu又はγ−ヒドロキシ−MeLeuであり;そしてT3は、MeLeu又はMeAlaである]で表される非免疫抑制性シクロスポリンA誘導体を患者に投与することを含む、前記方法。
請求項8
WがMeBmt、ジヒドロ−MeBmt、8’−ヒドロキシ−MeBmtであり;XがαAbu、Val、Thr、Nva又はO−メチルスレオニン(MeOThr)であり;RがPro、Sar、(D)−MeSer、(D)−MeAla、又は(D)−MeSer(Oacetyl)であり;YがMeLeu、チオMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、MeIle、MeVal、MeThr、MeAla、MeaIle又はMeaThr;N−エチルVal(EtVal)、N−エチルIle、N−エチルThr、N−エチルPhe、N−エチルTyr又はN−エチルThr(Oacetyl)であり、ここで、RがSarであるときYはMeLeuではなく;ZがVal、Leu、MeVal又はMeLeuであり;QがMeLeu、γ−ヒドロキシ−MeLeu、又はMeAlaであり;T1が(D)Alaであり;T2がMeLeuであり;そしてT3がMeLeuである、請求項7に記載の方法。
請求項9
WがMeBmtであり;XがαAbuであり;Rが(D)−MeAlaであり;YがN−エチルVal(EtVal)であり;ZがValであり;QがMeLeuであり;T1が(D)Alaであり;T2がMeLeuであり;そしてT3がMeLeuである、請求項7に記載の方法。
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